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AIに仕事を頼んでみたけれど、返ってきたものが薄くて、結局自分で書き直した。
そういう経験がある方は多いと思います。私も最初はそうでした。
ただ、いろいろ試してみて思うのは、出力がいまいちなときの原因は、AIの能力よりも「渡している情報の少なさ」にあることが多いということです。
この記事では、私が普段やっている「渡し方」を3つに絞って書きます。プロンプトを暗記する話ではありません。考え方が1つ変わるだけなので、今日から使えます。
AIの出力が浅くなるとき、何が起きているか
たとえば「この資料をわかりやすくして」と頼んだとします。
このとき、AIの側からは次のことが一切わかりません。
- 誰が読む資料なのか
- 何を判断してもらうための資料なのか
- どのくらいの長さに収めたいのか
わからないまま「わかりやすく」を実行するので、当たり障りのない、一般的にわかりやすい文章が返ってきます。薄いと感じるのは当然で、これはAIが手を抜いているのではなく、無難な最大公約数を出すしかない状態に置かれているだけです。
人に頼むときのことを考えると、わかりやすいかもしれません。
今日入ったばかりの同僚に「この資料わかりやすくしといて」とだけ言って席を立ったら、どうなるでしょうか。おそらく、悪くはないけれど的を外したものが上がってきます。優秀かどうかとは関係のない話です。
AIは、優秀だけれど社内の文脈を何も知らない同僚だと思っています。だから渡すものも、その前提で決めます。
新人に頼むつもりで渡す3つ
私が渡しているのは、次の3つだけです。
1. 目的:何のために使うものか
「部長に来週の会議で承認をもらうため」「新しく入った人が読んで手順どおり動けるようにするため」。
このひと言があるだけで、書く順番も語彙も変わります。判断してもらう文書と、作業してもらう文書は、そもそも構造が違うからです。
目的が抜けていると、AIは「なんとなく読みやすい文章」に寄せます。逆に目的さえ渡せば、多少ほかが雑でも形になります。3つのうち1つだけ選ぶなら、私はこれを選びます。
2. 材料:手元にある事実
数字、経緯、決まっていること、決まっていないこと。箇条書きで十分です。
ここを渡さずに頼むと、AIは一般論で埋めるしかありません。一般論で埋まった文章は、読んだ人に「で、うちの場合は?」と思われます。
きれいにまとめてから渡す必要はありません。むしろ整える手間をかけるくらいなら、雑なメモのまま渡したほうが速いです。整えるのは相手の仕事です。
3. 完成形:どんな形で欲しいか
「A4で1枚」「箇条書き5つ」「メール本文としてそのまま送れる形で」。
これが抜けると、長さも形式も毎回ぶれます。やり直しの原因のほとんどは、完成形を伝えていないことでした。少なくとも私の場合はそうです。
そのままコピペできる型
3つを1つの形にすると、こうなります。
【目的】○○のために使います
【読む人】○○
【材料】
・
・
・
【完成形】○○(形式・分量)
上記をもとに作ってください。
情報が足りない場合は、書き始める前に質問してください。
最後の1行を入れておくと、AIが勝手に埋めずに聞き返してくれることがあります。間違った前提で長文を書かれるより、先に聞いてもらったほうが早いので、私はほぼ毎回入れています。
それでも精度が出ないときの一手
型どおり渡しても物足りないときは、頼む内容を「作る」から「見る」に変えると効くことがあります。
たとえば、自分で書いた文章を渡して、こう頼みます。
これを10秒だけ読んだ人の立場で、 印象に残った点と、読み飛ばしたであろう点を教えてください。
作らせるより、読ませるほうが精度が出やすいというのが、いまのところの実感です。文章そのものは自分で書いたほうが速いことも多いので、AIには「読み手の代わり」をやってもらう。この使い分けに落ち着きました。
全部やらなくていい
3つ書きましたが、最初から全部そろえようとすると、頼むこと自体が面倒になります。それでは本末転倒です。
まずは完成形だけ足してみてください。「箇条書き5つで」と付けるだけです。5秒で終わります。
それで手応えがあれば目的を足す。材料は最後で構いません。
AIを使いこなそうとするより、頼み方をひとつ変えるほうが先だと思っています。そしてこれは、AIに限らず人に仕事を頼むときにもそのまま使えます。結局のところ、目的と材料と完成形を渡すというのは、仕事の頼み方そのものだからです。
