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不採用の連絡で届くのは、「慎重に選考を重ねた結果、今回はご縁がなく」の一文だけです。
理由が書いていないので、自分で考えるしかない。経歴が弱かったのか、面接で何かまずいことを言ったのか。考えるほど、自分の実力の話になっていきますよね。
先に結論を書くと、不採用の理由は社内ではかなり具体的に言語化されています。ただ、それが本人に届くことはほぼありません。そして、その理由の多くは実力ではなく「その回に応募してきた人との比較」で決まっています。だから、落ちた理由を自分の実力の話にしなくていいんです。
不採用の理由は、社内ではかなり具体的です
採用の現場では、選考のあとに必ず「どうだったか」の話をします。
「実務経験は要件に届いているけど、もう一人の候補者のほうが立ち上がりが早そう」「話は上手いけど、前職の退職理由と志望動機がつながっていなかった」。こういう会話が普通に交わされていて、メモにも残ります。
つまり、理由がないわけではありません。むしろ、本人が想像しているより具体的です。
それでも届かないのは、3つの理由があります
1つめは、伝えることのリスクです。理由を伝えると、それに対する反論や説明が返ってきて、選考が終わらなくなります。会社側からすると、伝えないほうが安全なんですよね。
2つめは、比較で決まった理由は説明のしようがないことです。「あなたより良い人がいました」は事実でも、言われた側は何も直せません。なので、書けない。
3つめは、法律や会社の方針の関係で、本当の理由をそもそも言えない場合があることです。ここは次の見出しで書きます。
落ちた理由の多くは「比較」です
書類選考も面接も、絶対評価ではありません。その回に応募してきた人の中で、相対的に決まります。
なので、同じ書類でも、隣の会社ではあっさり通ることが普通にあります。応募した回に、たまたま経験がぴったりの人がいた。それだけで結果が変わる。落ちる書き方と通る書き方は確かにあるのですが、並ぶ相手によって線が動くんです。
これは採用側にいると毎回見ることなので、落ちた理由を自分の経歴のせいだと思い込んでいる方を見ると、正直「そこはあまり関係ないことが多いんだけどな」と思ってしまいます。
「別の理由で、やんわり」もあります
もう1つ、知っておいてほしいことがあります。
法律で、募集や採用で年齢や性別などを理由にすることは原則として禁止されています。だから求人票にはそういう条件は書かれませんし、不採用の理由としても絶対に伝えられません。
ただ、現場の判断がいつも完全に公正かというと、正直そうではない会社もあります。そういう場合、本人には「別の理由で、やんわり」不採用が伝えられます。落ちた側は、本当の理由を一生知ることができません。
これは悔しい話ですが、逆に言うと、そういう会社に落ちたことを自分の実力の問題として引き受ける必要はまったくない、ということでもあります。
では、何を直すか
落ちた理由を推測することに時間を使っても、たいてい当たりません。当たらないものを考え続けるより、自分で動かせるところだけ直すほうが楽です。動かせるのは2つだと思っています。
1つは書類の最初の数行です。面接の質問はだいたい書類から作られるので、何を目立たせて書くかで、聞かれることが変わります。
もう1つは、次にどの会社を受けるかです。比較で決まる以上、自分の経験が要件に重なる求人を選んだほうが、並んだときに残りやすくなります。求人票の読み方で書いた「募集の背景」を面接で聞くのも、ここにつながります。
落ちた会社の数を数えるより、通った会社がどんな会社だったかを覚えておく。そちらのほうが、次の応募先を決めるときの材料になります。
まとめ
- 不採用の理由は社内ではかなり具体的。ただし本人には届かない
- 届かないのは、伝えるリスク・比較で決まった理由は説明できない・そもそも言えない理由がある、の3つ
- 落ちた理由の多くは「その回の応募者との比較」。同じ書類が別の会社で通るのはそのため
- 「別の理由で、やんわり」の不採用もある。それを実力の問題として引き受けなくていい
- 直せるのは、書類の最初の数行と、次にどの会社を受けるか
面接の手応えが読めないのと同じで、落ちた理由も読み取れないものです。読めないものは読まずに、次に行っていいと思っています。

