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転職理由は、面接でほぼ必ず聞かれます。それなのに、ここで詰まる人が本当に多いです。
私は採用の現場にいますが、詰まる方の多くは、考えていないわけではありません。考えてはいるけれど、言葉にしたことがないだけです。
頭の中にある感覚と、口に出せる言葉は別物です。この記事では、その変換の手順を書きます。
面接官は理由そのものを見ていない
まず前提を整理します。
転職理由を聞くとき、採用側が知りたいのは「なぜ辞めるのか」ではありません。知りたいのは、その先の2つです。
- 同じことがうちでも起きないか
- 何を求めて動こうとしているのか
つまり、過去ではなく未来を見ています。だから理由の内容そのものに、良し悪しの正解はありません。
このことが分かっていると、答え方がかなり楽になります。立派な理由をひねり出す必要はなく、事実を未来向きに整理するだけでよくなるからです。
変換の手順
やることは3ステップです。
1. 不満をそのまま書き出す
まず、取り繕わずに書きます。人に見せないので、正直に書いてください。
- 人間関係が合わなかった
- 評価の基準が曖昧だった
- 裁量がなかった
- 給料が上がらなかった
ここで綺麗な言葉にしようとすると、材料がなくなります。感情のままで構いません。
2. 「では何が欲しいのか」に言い換える
次に、それぞれを求めるものに変換します。
| 不満 | 言い換え |
|---|---|
| 人間関係が合わなかった | フラットに意見を言える環境で働きたい |
| 評価の基準が曖昧だった | 成果を具体的に見てもらえる環境で伸びたい |
| 裁量がなかった | 提案から実行まで一貫して任されたい |
同じ事実でも、印象が変わります。嘘はついていません。向きを変えただけです。
私が見ていて通りやすいのは、辞める理由をそのまま話す方より、この言い換えができている方でした。
3. 「何があってそう思ったか」を一言だけ戻す
ここが抜けている人が多いところです。
言い換えだけで終わると、誰でも言える言葉になります。「フラットに意見を言える環境で働きたい」は、それ自体には情報がありません。
なので、変換したあとに、具体を一言だけ戻します。
前職では意思決定が上位者に集中していて、現場の提案が通るまでに時間がかかることが多くありました。だから、提案から実行まで距離が近い環境で働きたいと思っています。
変換しすぎて具体が消えてしまう方も、実は同じくらい多いです。事実を一言残すだけで、急に本当らしくなります。
一次面接と最終面接で聞かれ方が変わる
もうひとつ知っておくと楽になることがあります。
同じ「転職理由」でも、一次と最終では見ている観点が違います。
一次面接に出てくるのは、募集部署の管理職か人事です。ここで見られているのは、主に再現性です。同じ理由でまた辞めないか、という観点になります。
最終面接に出てくるのは役員クラスです。ここでは、長く働いてくれるか、育てた分が回収できるかを見ています。
だから最終で落ちる方に多いのが、条件面の話だけで終わっているパターンです。一次では条件が合っていれば通りますが、最終で同じ話をすると「うちでなくてもいいのでは」となります。
準備を2種類作る必要はありません。ただ、同じ答えの中に「入ってから何をしたいか」が一言あるかどうかで、最終での受け取られ方が変わります。
声に出して練習する意味
書いただけで満足しないほうがいいです。
紙に書いた文章と、口に出せる言葉は違います。書いたときは筋が通っていたのに、話すと長くなって要点が消える、ということが起こります。
一度、誰かに説明してみるのがいちばん早いです。相手がいなければ、声に出して録音して聞き返すだけでも分かります。伝わらない部分がその場で分かります。
面接で詰まる方は、考えていないのではなく、この工程を飛ばしていることがほとんどです。
書類と揃っているかも見られている
最後にひとつ。
転職理由と志望動機が別々に用意されていると、順番に聞くだけでズレが出ます。
「裁量が欲しくて辞めた」と言ったのに、志望動機が「御社の安定性に惹かれて」だと、聞いている側は整合が取れません。ここは意外と見られています。
書類に書いた内容とも揃えておく必要があります。書類側の作り方は別の記事にまとめました。
まとめ
- 不満をそのまま書き出す
- 「では何が欲しいのか」に言い換える
- 「何があってそう思ったか」を一言だけ戻す
- 声に出して1回練習する
立派な理由はいりません。事実を未来向きに整理して、それを口に出せる状態にしておく。それだけで、詰まることはかなり減ります。

