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職務経歴書を開いて、5分たっても1行も進まない。
そういう経験はないでしょうか。私は採用の現場にいますが、書類が書けないという相談を受けたとき、書き方の問題であることはあまり多くありません。
たいていは、書く材料がまだ手元に出ていないだけです。
この記事では、その材料を出す作業をAIに手伝ってもらう方法を書きます。10分あればできます。
書けない原因は、たいてい「材料」のほう
職務経歴書のテンプレートを探したり、例文を読んだりするところから始める方は多いです。でもそれは、料理でいえばレシピを探しているのに冷蔵庫を開けていない状態に近いと思っています。
書き方は、材料が並んだあとなら自然に決まります。逆に材料がないまま書き方だけ整えても、中身が薄いことは読む側に伝わります。
そして厄介なのが、材料は自分で思い出そうとしても出てこないということです。
日々やっている仕事は、自分にとっては当たり前になっています。当たり前のことは記憶の中で目立たないので、「特に書くことがない」と感じてしまう。実際には書けることがあるのに、思い出せていないだけ、という方をよく見ます。
AIに「1問ずつ聞いてもらう」
そこでAIの出番です。ただし文章を書かせるのではありません。質問する側をやってもらいます。
頼み方はこれだけです。
この1年の仕事を思い出したいので、
1問ずつ質問してください。
担当した業務、その結果、工夫したことの順に、
深掘りする形でお願いします。
私が答えたら、次の質問に進んでください。
ポイントは「1問ずつ」と入れることです。これがないと10個くらいまとめて質問されて、答えるのが面倒になって終わります。
自分から書き出すより、聞かれたほうが出てきます。人に「最近どんな仕事してるの?」と聞かれたときのことを思い出すと、近い感覚かもしれません。
もっと精度を上げたいときは、材料を先に渡します。カレンダーの予定、日報、チャットの検索結果。過去の自分の記録は、いちばん強い材料です。それを貼り付けて「ここから棚卸しを手伝って」と頼むと、記憶に頼らずに済みます。
なお、AIへの頼み方そのものについては別の記事で3つの型にまとめています。目的・材料・完成形を渡す、という話です。
自分では書かない実績が出てくる
この方法をすすめる理由は、自分の判断では書き出さない種類の実績が拾えるからです。
たとえばこういうものです。
- 引き継ぎ資料を作り直して、後任が質問してくる回数が減った
- 定例会議の資料を毎回作っていて、そのフォーマットが部署の標準になった
- トラブル対応の窓口をずっと担当していて、社内で最初に相談される人になっていた
どれも「実績」として意識しにくいものです。派手な数字がないので、自分では飛ばしてしまう。
でも書類で読む側からすると、こういう記述のほうが人物像が立ちます。売上や件数だけが並んだ書類より、何を任されていたかが見えるほうが印象に残る、というのが私の実感です。
AIは遠慮しないので、「それは実績ではない」という自己判断が入る前に拾い上げてくれます。そこが効きます。
ここまでは頼む、ここからは頼まない
ひとつだけ、線を引いているところがあります。
棚卸しはAIに頼みますが、文章そのものは自分で書いたほうがいいと思っています。
AIに書かせた職務経歴書は、整っています。読みやすいし、誤字もない。ただ、面接で深掘りされると急に薄くなる方をよく見ます。
書いた本人が「なぜそう書いたか」を覚えていないからです。面接官は書類の一行について「これはどういう状況でしたか」と聞くだけですが、そこで詰まると、書類全体の信頼が下がります。
だから私は、AIには次の3つを頼んで、書くところは自分でやるという使い分けに落ち着きました。
- 質問する(棚卸し)
- 読む(10秒で読んだ印象を教えてもらう)
- 直す(誤字・体裁のチェック)
作らせるより、聞かせて読ませる。このほうが結果的に速いです。
10分で終わらせる型
まとめると、こうなります。
- AIに「1問ずつ質問して」と頼む(1分)
- 出てきた質問に、思い出せる範囲で答える(7分)
- 出た材料を箇条書きで手元に残す(2分)
これで職務経歴書の下ごしらえは終わりです。書くのはまた別の日で構いません。
材料さえ残っていれば、次に書類を開いたときの5分は、今日の5分とはまったく違うものになります。
書けないと感じたら、書き方を調べる前に冷蔵庫を開ける。それだけの話だと思っています。

