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自分の市場価値がどれくらいか、考えたことはあるでしょうか。
考えたことはあっても、調べたことがある人は少ないと思います。調べる=転職活動を始めることだと思われているからです。
ただ実際には、応募しなくても現在地は分かります。むしろ応募しないほうが、落ち着いて測れます。
この記事では、その測り方の手順だけを書きます。転職するかどうかの話は一切しません。
不安の正体は、たいてい「見ていないこと」
このままでいいのか、という感覚は多くの人が持っています。
私は採用の現場にいますが、この不安が強い方ほど、自分の市場価値について何も情報を持っていないことが多いです。逆に一度測ったことがある人は、状況が良くても悪くても落ち着いています。
貯金と同じだと思っています。残高を見ていないときがいちばん不安で、見たあとは、たとえ思ったより少なくても対策を考えられるようになる。
だから最初にやることは、増やすことではなく、測ることです。
実際に測ってみました
私も一度、診断で測り直してみました。かかった時間は5分から10分ほどです。身構えるほどのものではありませんでした。
出てきた想定年収は、いまより高い数字でした。
ただ、これを「自分は過小評価されている」と読むのは早いと思っています。選べる職種の粒度がかなり大まかで、細かい役割の違いまでは反映されないからです。つまり返ってくるのは「その職種のだいたいの相場」であって、自分個人の評価ではありません。
だから私はこの数字を、点ではなく幅として見ています。いまの年収がその幅に入っているか。外れていたら、なぜかを考える。それくらいの使い方がちょうどいいと思っています。
意外だったのは、高い数字が出たこと自体より、それに納得感があったことでした。診断が出しているのは「いまの職場での評価」ではなく「動いた場合の相場」なので、そもそも別のものを測っています。ズレていて当然なんですよね。
20分で237件、という数字の読み方
登録して20分ほどで、企業からの反応が237件つきました。
数字だけ見ると驚きますが、20分で237社が一人ずつ書類を読んだわけではありません。条件が合えば自動的に付くものだと考えたほうが自然です。
なので、この件数を自分の評価として読むことはできません。ここで浮かれると、次に何も来なかったときに落ち込むだけです。
ただ、傾向を見る材料としてはかなり優秀でした。
どの業界から来ているか。どのくらいの年収帯か。どんな職種で募集がかかっているか。この3つを眺めると、いま自分がどのゾーンに分類されているかが見えてきます。求人票を1件ずつ探すより、よほど早い。
私はこの一覧を、応募先を探すためではなく、自分がいまどこに置かれているかを確認するために見ています。
応募しない前提の運用
やることは3つだけです。
1. 職務経歴書を置いて、通知を切る
スカウトサービスに登録して職務経歴書を置きます。ここまでは多くの人がやります。
問題はこのあとです。登録すると通知が大量に来るので、都度反応していると疲れます。そして疲れると、アカウントごと放置することになります。
だから私は、登録したらまず通知を切ることを勧めています。
測るのが目的なので、リアルタイムで知る必要はありません。
2. 月に1回だけ、まとめて眺める
月末でも給料日でも構いません。日を決めて、その月に届いたスカウトをまとめて見ます。10分で終わります。
このとき、返事はしません。読むだけです。
「良い話が来たら動く」のではなく、「良い話が3ヶ月続いたら考える」くらいの温度で構いません。単発の1通は運の要素が大きいので、判断材料になりません。
3. 変化だけを記録する
見たあと、一行だけメモを残します。
- どんな業界から来たか
- どんな年収帯だったか
- 先月と比べて変わったか
これだけです。3ヶ月分たまると、自分の現在地が線で見えるようになります。1回のスナップショットより、変化のほうが情報量が多いです。
届いたスカウトから何を読み取るか
ここからが本題かもしれません。スカウトは、読み方を知っていると情報源になります。
一斉送信か、個別かを見分ける
まず前提として、スカウトメールの多くは条件マッチによる一斉送信です。あなただけに送られているわけではありません。
これは知っておいたほうがいいです。届いた事実だけで「自分は評価されている」と考えると、判断を誤ります。
見分け方は簡単で、職務経歴書の中身に具体的に触れているかどうかです。
「◯◯の経験をお持ちとのことで」まではテンプレートでも書けます。そうではなく、書類に書いた固有の取り組みに言及しているものは、人が読んで送っています。この差はかなり大きいです。
年収帯より「どこから来たか」を見る
提示年収に目が行きますが、そこは条件次第で動くので参考程度でいいと思っています。
それより、どういう会社から声がかかっているかのほうが情報量があります。業界、規模、募集ポジション。ここに偏りが出ていれば、それが市場から見たあなたの分類です。
自分では営業だと思っていたのに、届くのは全部カスタマーサクセスだった、ということが起こります。そのズレに気づけるのが、この方法のいちばんの価値です。
スカウトの数は気にしなくていい
スカウトの数を気にする方がいますが、これは登録するサービスや時期でも動くので、比べる意味が薄いです。
比べるなら、他人とではなく過去の自分とです。
声がかからなかったとき
何も届かないこともあります。そのときに落ち込む必要はありません。
多くの場合、実力の問題ではなく、書類に情報が足りていないだけです。スカウトを送る側は書類の記述だけで判断するので、書いていないことは存在しないのと同じ扱いになります。
このあたりは別の記事にまとめました。冒頭の数行に何を置くかで、届く量はかなり変わります。
まとめ
- 職務経歴書を置いて、通知は切る
- 月1回、10分だけまとめて眺める
- 業界と年収帯の偏りを一行メモに残す
これだけで、市場価値は定点観測できます。
市場価値は怯えるものではなく、測るものだと思っています。測ってみて、動かないという判断をするのも立派な結論です。
なお、実際のサービス選びや条件の判断については、各サービスの公式情報をご確認ください。

