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体裁や誤字で損をしている書類を、本当によく見ます。
内容は悪くないのに、第一印象が「雑」になってしまう。読む側も人間なので、そこから先の評価に影響します。
逆に言えば、誤字がなくて体裁が整っているだけで上位に入れます。実力の勝負の前に、まず減点をなくす。ここは努力の量ではなく、やるかやらないかで決まる部分です。
そして、この作業はAIに任せられます。ただし頼み方を変えないと、肝心なところが拾えません。
「誤字を直して」では拾えないもの
AIに文章を渡して「誤字脱字を直して」と頼むと、確かに誤字は直ります。
ただ、私が採用の現場で見ている「損をしている書類」の多くは、誤字ではありません。
- 西暦と和暦が混ざっている
- 会社名の表記が「株式会社◯◯」と「◯◯株式会社」で揺れている
- 見出しのフォントサイズがひとつだけ違う
- 箇条書きの文末が「です」と体言止めで混在している
- 前の応募先の会社名が残っている
どれも誤字ではないので、「誤字を直して」では引っかかりません。そして読む側は、これを誤字より強く「雑」と受け取ります。誤字は打ち間違いですが、表記の揺れは確認していない証拠に見えるからです。
実際に効く頼み方3つ
1. 揺れを探させる
こう頼みます。
この文書の中で、表記が揺れている箇所をすべて挙げてください。
西暦と和暦、会社名の書き方、数字の全角と半角、
箇条書きの文末の形式、敬語のレベルを見てください。
直さなくていいので、箇所と揺れ方だけ一覧にしてください。
直させないのがポイントです。直させると、勝手に文章まで書き換えられて、自分の言葉でなくなります。指摘だけもらって、直すのは自分でやる。そのほうが速いです。
2. 読み手を指定する
同じ文章でも、誰が読むかで適切な体裁は変わります。
これを採用担当者が10秒だけ読むとします。
印象に残る箇所と、読み飛ばされそうな箇所を教えてください。
これは校正というより、読み手の代わりをしてもらう使い方です。作らせるより読ませるほうが精度が出る、というのが私の実感です。
10秒で何も残らないと言われたら、それは誤字ではなく構成の問題です。その場合は冒頭を直したほうが早いので、こちらの記事を見てみてください。
3. 悪い例を先に見せる
チェックの精度を上げたいときは、何を避けたいかを先に伝えます。
以下の点は特に厳しく見てください。
・前の応募先の名前が残っていないか
・「頑張りました」のような、具体のない表現が残っていないか
・同じ言葉を3回以上繰り返していないか
AIは指示された観点に沿って見るので、観点を渡すほど精度が上がります。この考え方は校正に限らず、AIへの頼み方全般に共通しています。
最後は自分の目で1回読む
AIに頼んでも、最後に一度は自分で読んでください。
理由は2つあります。
ひとつは、AIは事実の誤りを見つけられないことです。在籍期間が1年ずれていても、文章として自然なら通ります。数字と固有名詞は、自分でしか確認できません。
もうひとつは、読み上げると分かる違和感があることです。声に出して読むと、目で追うだけでは気づかない不自然さが分かります。1分で終わります。
送信前の30秒チェック
最後に、私が現場で見ていて「これだけは」と思うものを挙げておきます。
- 応募先の会社名が正しいか(前の応募先が残っていないか)
- 日付が提出日になっているか
- ファイル名が「履歴書.pdf」ではなく「履歴書_氏名.pdf」になっているか
- PDFにしたあとレイアウトが崩れていないか
- 添付を忘れていないか
どれも30秒で確認できます。そして、この30秒で防げる減点が、思っているより多いです。
内容を良くするのは時間がかかりますが、減点をなくすのは今日できます。順番としては、こちらが先だと思っています。

