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面接官と話が盛り上がって、予定時間も超えて、入社後の話までされた。それで不採用だった。
この落ち方が、いちばん引きずると思います。何が悪かったのか分からないので、考えるほど自分の実力の話になっていく。
先に結論を書くと、手応えは評価のシグナルになりません。盛り上がったことと、通ることは別の線で動いています。
面接官は、落とす相手にも良い時間をつくります
これがいちばん知られていないところだと思います。
面接の場で「この人は見送りだな」と思っていても、態度は変わりません。というより、変えないようにしています。理由は3つあります。
1. 候補者体験が、そのまま会社の評判になる
不採用にした人が、面接の印象を口コミサイトやSNSに書くことがあります。それが次の応募者に読まれます。
だから面接は、落とす相手に対しても「受けてよかった」と思ってもらえる時間にしておきたい。ここは採用の側にとって、けっこう真剣な話です。
2. その場で決めているわけではない
面接の途中で結論が出ていることは、実はそう多くありません。
他の候補者と並べて比べるのは、全員が終わったあとです。だから面接中は判断を保留したまま話を聞いている、という状態になります。
保留のまま聞いているので、態度は自然と中立になります。それが候補者からは「好感触」に見えることがあります。
3. 気まずい時間にしたくない
単純にこれもあります。1時間、向かい合って座るわけなので。
「予定時間を超えた」の正体
これも手応えの根拠にされやすいのですが、たいていは別の理由です。
次の予定が入っていなかった、というのがいちばん多い。面接の枠は余裕をもって取ってあるので、後ろが空いていれば自然に伸びます。
もうひとつは、面接官が話したいことを話していた場合です。自社の説明や、自分の仕事の話が長くなる面接官は普通にいます。これは候補者の評価とは関係がありません。
時間の長さは、熱意の量ではないと思っています。
では、何を見ればいいのか
手応えより当てになる材料は、いくつかあります。ただし、どれも確実ではありません。
- 次の選考の話が具体的か(日程の候補、誰が出るか、何を聞かれるか)
- 逆質問に対して、社内の実情まで話してくれたか
- 選考の期間や、他社の状況を聞かれたか
このあたりは、通す前提で段取りを考えている人の言い方になりやすい。逆に、話が具体的にならないまま終わったときは、まだ保留の可能性があります。
ただ、これも外れることがあります。段取りの話をしたうえで落ちることも、何も言われずに通ることもあります。
だから「サインを読み取る技術」を磨く方向には、あまり意味がないと思っています。
手応えを信じないほうがよい
手応えを当てにしないことの実利は、判断が軽くなることです。
1社に期待を寄せなくなるので、結果を待っている間も他の選考を進められます。落ちたときのダメージも小さい。
そして、落ちた理由を自分の実力の話にしなくて済みます。
書類選考も面接も、最終的にはその日に並んだ候補者との比較で決まります。同じ人が、同じ内容で、別の会社では通ります。手応えがあったのに落ちたというのは、多くの場合「比較で決まった」ということです。
うまく話せなかったから落ちた、ではありません。
準備するなら、こちら側を
手応えや面接官の反応を観察することに時間を使う代わりに、準備しておくとプラスに働くものが2つあります。
ひとつは、自分の言葉で理由を言えるようにしておくことです。面接で詰まるのは志望動機よりも「なぜそれが自分に向いていると思うのか」の部分で、ここは声に出して整えておくと当日ぶれません。
もうひとつは、書類のほうです。面接の質問は、たいてい書類に書いてあることから作られます。つまり何を目立たせて書くかで、面接で何を聞かれるかがある程度決まります。
面接中に読み取ろうとするより、こちらのほうが動かせる部分だと思います。
まとめ
- 面接官は、落とす相手にも良い時間をつくる。だから手応えは評価のシグナルにならない
- 予定時間を超えたのは、次の予定がなかっただけのことが多い
- サインを読む技術を磨くより、1社に期待を寄せないほうが実利がある
- 落ちたのは比較の結果で、話し方が悪かったからではないことが多い
盛り上がった面接のことは「いい時間だったな」くらいで置いておくのがちょうどいいと思っています。

